ハートのぷくぽよん

よるになりました。そらは、やわらかいむらさきいろです。うみのそばのちいさなみちに、赤いハートのしるしがついた、かわいいオートバイがありました。オートバイのなまえは、ぽよん号です。
ぽよん号のそばに、ひよこのピヨがいました。ピヨは、ふわふわのきいろいからだで、ちいさなくちばしをしています。「ねむるまえに、みんなへおやすみをいいたいな」と、ピヨはいいました。
そのとき、うみからタコのタックが、のっそりのっそり出てきました。タックのあしは八ぽんで、どのあしもやさしくゆれています。タックは、ハートのかたちの小さな貝をもっていました。
「ピヨ、これをどうぞ」とタックはいいました。ピヨはにこにこしました。「ありがとう。じゃあ、ぼくはタックをぽよん号にのせてあげるね」ピヨは、オートバイのよこに、ふかふかのざぶとんをおきました。
ぽよん号は、ぶるるん、ではなく、ぽよぽよん、としずかに走りました。ねむるまえなので、音も小さくしました。ピヨとタックは、月のひかりの道をゆっくり進みました。風は、やさしくほっぺをなでました。
みちのはしで、ありさんが小さなパンくずをはこんでいました。でも、パンくずは重くて、ありさんはこまっていました。ピヨはすぐにおりました。タックも八ぽんのあしで、そっと手つだいました。ハートの貝の上にパンくずをのせると、らくに運べました。
ありさんは「ありがとう」といいました。すると、ハートの貝が、ぽっとあたたかく光りました。ピヨもタックも、ぽよん号も、うれしくなりました。みんなに親切にしてください。そうすると、こころも、夜の星みたいにきらきらします。ピヨとタックはおうちへ帰り、ふわあ、とあくびをして、なかよくねむりました。